仮想通貨の税金はいくら?年収1000万円以上で重い総合課税と改正の動き
この記事でわかること
- 仮想通貨(暗号資産)の利益は、原則として雑所得として給与と合算する総合課税で、所得税と住民税を合わせて最大55%(復興特別所得税を除く)です。
- 所得税率33%の区分の人が300万円の利益を出すと、試算で税金は約131万円になります。
- 令和8年度税制改正大綱では、一定の暗号資産取引を20%の分離課税に変える方針が示されましたが、適用は金融商品取引法の改正後です。
仮想通貨の税金はいくらかかるのか、年収1000万円以上の会社員の方ほど気になる点ではないでしょうか。結論からお伝えすると、現在の制度では、仮想通貨を売って得た利益は原則として雑所得になり、給与などと合算して累進税率で課税されます。所得税率が高い人ほど税負担が重くなり、損失が出ても給与と相殺できません。税制改正で20%の分離課税への変更が示されていますが、適用時期は法律の改正と施行を待つ必要があります。
本記事では、2026年10月時点の国税庁、金融庁の資料をもとに、仮想通貨の税金の仕組みと、年収1000万円以上の会社員の税額を試算で解説します。
仮想通貨の税金が注目される理由
2025年10月10日の暗号資産市場の急落から1年がたち、価格の変動の大きさがあらためて意識されています。値上がりした暗号資産を売るときの税金や、税制改正の動きに関心が集まっています。
- 暗号資産とは、資金決済に関する法律で定められた、インターネット上でやりとりできる財産的価値のことで、一般に仮想通貨とも呼ばれます。
- 雑所得とは、給与所得や事業所得、譲渡所得など、ほかの9種類の所得のどれにも当たらない所得のことです。
- 総合課税とは、給与所得などほかの所得と合計して、累進税率で税金を計算する仕組みのことです。
- 分離課税とは、ほかの所得と分けて、決められた税率で税金を計算する仕組みのことです。
年収1000万円以上の会社員の仮想通貨の税金
現在の課税の仕組み
国税庁の暗号資産等に関するFAQ(令和7年12月最終改訂)によると、暗号資産取引で生じた利益は、原則として雑所得に区分されます。課税の対象になるのは、暗号資産を日本円に換えたときだけではありません。
- 暗号資産を売って日本円に換えたとき
- 暗号資産で商品などを購入したとき
- 暗号資産をほかの暗号資産と交換したとき
また、国税庁によると、雑所得で生じた損失は給与所得など他の所得と通算することができません。
税率区分別の税額の試算
次の前提で、利益300万円にかかる税金を試算しました。
- 暗号資産の売却による利益(雑所得)が300万円で、ほかに雑所得はない
- 給与所得と合算しても、所得税率の区分は変わらない
- 2026年中の売却とし、復興特別所得税2.1%、住民税10%で計算
| 所得税率の区分 | 現在の総合課税の税額 | 参考 20%の分離課税なら |
|---|---|---|
| 23% | 約100万円 | 約60万円 |
| 33% | 約131万円 | 約60万円 |
| 40% | 約153万円 | 約60万円 |
| 45% | 約168万円 | 約60万円 |
※上記の前提に基づく当サイトの試算。総合課税は所得税、復興特別所得税、住民税の合計。分離課税は大綱が示す所得税15%・住民税5%で計算し、復興特別所得税などは含めていません。
税制改正で示された分離課税への変更
金融庁の資料によると、令和8年度税制改正の大綱では、金融商品取引法などの改正を前提に、改正法の施行日の翌年1月以降、一定の暗号資産取引から生じる所得を総合課税から分離課税に変更することが示されました。対象は、暗号資産取引業者(仮称)が取り扱う暗号資産を、その業者に売却する取引などです。税率は所得税15%・住民税5%の20%で、損失は3年間繰り越せる方針です。
ただし、適用が始まる時期は改正法の施行時期によって決まり、すべての取引が対象になるわけではありません。売却の時期を考えるときは、最新の法改正の状況を確認することが大切です。
確定申告が必要になる場合
国税庁によると、給与を1か所から受け取り年末調整を受けている会社員は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。また、給与の年間収入が2000万円を超える人は、暗号資産の利益の有無にかかわらず確定申告が必要です。
注意すべきリスク
- 価格の大きな変動。暗号資産は値動きが大きく、税制の変更を待つ間に価格が下がる可能性があります。
- 損失を通算できない。現在の制度では、暗号資産の損失を給与所得と相殺することはできません。
- 取引の記録。交換や支払いも課税の対象になるため、取得価額や取引履歴を記録しておく必要があります。
よくある質問
Q1. 仮想通貨の税金はいくらかかりますか?
利益は原則として雑所得で、給与などと合算して課税されます。当サイトの試算では、所得税率33%の区分の人が300万円の利益を出すと、所得税と住民税の合計は約131万円です。
Q2. 仮想通貨の税金は20%に変わりますか?
令和8年度税制改正の大綱で、一定の暗号資産取引について20%の分離課税に変更する方針が示されました。適用は金融商品取引法などの改正法の施行日の翌年1月以降で、時期は改正法の施行によって決まります。
Q3. 仮想通貨同士を交換しても税金はかかりますか?
国税庁のFAQによると、暗号資産をほかの暗号資産と交換した場合も、その時点で利益が計算され、課税の対象になります。
Q4. 仮想通貨の損失は給与と相殺できますか?
できません。国税庁によると、雑所得で生じた損失は給与所得など他の所得から差し引くことができません。
まとめ 仮想通貨の税金は売る前に確認する
仮想通貨の利益は総合課税のため、年収1000万円以上の会社員ほど税負担が重くなります。売却や交換の前に、次の点を確認しておきましょう。
- 今年の利益の見込みと、自分の所得税率の区分を確認する
- 取得価額や取引履歴を記録し、確定申告に備える
- 分離課税への変更の時期など、法改正の最新状況を確認する
値動きの大きい資産だからこそ、税金まで含めて手元に残る額を見通しておくことが、資産全体を守ることにつながります。
専門家と一緒に資産と税金を見直してみませんか
暗号資産を含む資産の売却時期や税金の考え方は、年収やほかの所得、資産の構成によって答えが変わります。税負担を含めた資産の見直しをご自身の状況に合わせて整理したい方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも選択肢の一つです。
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監修 宮﨑 裕太(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種証券外務員)
更新日 2026年10月12日
参考資料
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
- 国税庁「No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 金融庁「アクセスFSA 2026年2月号 令和8年度税制改正の大綱の概要」
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」
※本記事は2026年10月時点の法令・制度に基づく一般的な情報提供を目的としており、暗号資産その他の金融商品の推奨や個別の税務・投資判断を行うものではありません。実際の適用可否は、税務署や税理士などの専門家にご確認ください。