家を買うならどこ?公務員が立地で確かめたい災害リスクと住宅ローン控除
この記事でわかること
- 家を買うならどこかを考えるときは、内装や設備より先に、あとから変えられない立地を確かめることが大切です。
- 令和8年度税制改正で、令和10年以降に入居する土砂災害などの災害レッドゾーンの新築住宅は、住宅ローン控除の対象外になります。
- 国家公務員の住居手当は借家・借間に住む職員が対象のため、持ち家にすると対象外になる点も家計の見通しに入れておきましょう。
家を買うならどこがよいか、転勤や異動がある公務員の方にとっては特に悩ましい問題です。結論からお伝えすると、内装や設備はリフォームで変えられても、立地は購入後に変えられません。災害のリスク、住宅ローン控除の要件、通勤や将来の売却・賃貸のしやすさといった立地の条件を先に確かめることが、後悔しない住まい選びの近道です。
本記事では、2026年10月時点の財務省、国土交通省、人事院の資料をもとに、公務員が家を買う前に確認したい立地のポイントを解説します。
家を買うならどこか、なぜ今立地が注目されているのか
- 災害レッドゾーンとは、土砂災害特別警戒区域など、開発や建築に規制がかけられている災害の危険性が高い区域のことです。
- 住宅ローン控除とは、住宅ローンを使って家を買った人が、年末の借入残高の0.7%を所得税などから差し引ける制度のことです。
- ハザードマップとは、洪水や土砂災害などで被害が想定される区域や避難場所を示した地図のことです。
財務省によると、令和8年度税制改正で住宅ローン控除は令和12年入居分まで5年間延長されました。あわせて立地要件が設けられ、令和10年以降に入居する場合、土砂災害などの災害レッドゾーンの新築住宅(建替えを除く)は適用対象外になります。税制の面からも、どこに家を買うかが問われるようになっています。
公務員が家を買う前に確かめたい立地の条件
購入前に確認したい項目
| 確認する項目 | 確認の方法 | 関係する制度 |
|---|---|---|
| 水害や土砂災害のリスク | ハザードマップポータルサイト、市区町村のハザードマップ | 宅地建物取引業法の重要事項説明 |
| 災害レッドゾーンに当たるか | 都道府県や市区町村の指定区域の情報 | 住宅ローン控除(令和10年以降入居の新築は対象外) |
| 住宅の省エネ性能 | 売主や施工会社の書類 | 住宅ローン控除の借入限度額 |
| 通勤と異動の範囲 | 勤務先の人事異動の範囲、交通手段 | 住居手当、通勤手当 |
| 売却や賃貸のしやすさ | 周辺の取引事例、駅からの距離 | 転勤時の住み替え |
※出典 財務省「令和8年度の税制改正」、国土交通省、人事院の資料をもとに当サイト作成。
水害リスクは重要事項説明でも確認される
国土交通省によると、2020年8月から、不動産の売買や賃貸の契約前に行う重要事項説明で、水防法に基づく水害ハザードマップにおける物件の所在地を説明することが宅地建物取引業者に義務付けられました。ただし、ハザードマップの浸水想定区域の外にあるからといって、水害のリスクがないとは限りません。契約前の説明を待たずに、検討の段階で自分でも確認しておくと安心です。
住宅ローン控除の要件も立地と性能で変わる
財務省によると、令和8年度改正後の住宅ローン控除は、控除率0.7%、新築住宅の控除期間は13年で、借入限度額は住宅の省エネ性能によって異なります。たとえば認定長期優良住宅などの新築は4500万円(子育て世帯等は5000万円)です。省エネ基準を満たさない新築住宅は、令和10年以降は原則として対象外です。立地と住宅の性能の両方で、受けられる控除が変わります。
住宅ローン控除の借入限度額や控除期間は、住宅ローン控除の改正の解説で紹介しています。
公務員ならではの確認ポイント
人事院の資料(令和8年4月現在)によると、国家公務員の住居手当は、借家・借間に住み一定額を超える家賃を支払っている職員に支給され、上限は月2万8000円です。持ち家に住むと住居手当は対象外になるため、住宅ローンの返済額を考えるときは、手当がなくなった後の手取りで計算する必要があります。地方公務員の手当は自治体ごとに定められているため、勤務先で確認しましょう。
また、異動の範囲が広い場合は、購入後に転勤となる可能性も考えておく必要があります。駅からの距離や周辺の需要など、売却や賃貸に出しやすい立地かどうかも確認しておきたい点です。
注意すべきリスク
- 災害のリスク。ハザードマップで想定されていない場所でも、被害が起きる可能性はあります。
- 転勤による住み替え。住宅ローンの返済中に転勤した場合、賃貸に出すには金融機関の承諾が必要になることがあります。
- 金利の上昇。日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げており、変動金利の住宅ローンは返済額が増える可能性があります。
変動金利と固定金利の選び方と返済額の試算は、住宅ローン変動金利と固定金利の選び方の解説で紹介しています。
よくある質問
Q1. 家を買うならどこを優先して選べばよいですか?
購入後に変えられない立地を優先しましょう。ハザードマップで災害リスクを確認し、通勤のしやすさや、将来売ったり貸したりしやすい場所かどうかもあわせて確かめることが大切です。
Q2. 災害レッドゾーンの家は住宅ローン控除を受けられませんか?
財務省によると、令和10年以降に入居する場合、土砂災害などの災害レッドゾーンの新築住宅(建替えを除く)は住宅ローン控除の対象外です。既存住宅などは対象になります。
Q3. 公務員が家を買うと住居手当はどうなりますか?
国家公務員の住居手当は、借家・借間に住み家賃を払っている職員が対象です。持ち家に住むと対象外になるため、手当がなくなった後の手取りで返済計画を立てましょう。
まとめ 家を買うなら立地から確かめる
家を買うならどこかを考えるとき、内装や設備よりも、あとから変えられない立地を先に確かめることが大切です。
- ハザードマップで、水害や土砂災害のリスクを確認する
- 住宅ローン控除の要件(立地と省エネ性能)を満たすかを確認する
- 住居手当がなくなった後の手取りと、異動の可能性を家計の見通しに入れる
安定した収入がある公務員だからこそ、立地と資金計画を丁寧に確かめれば、長く安心して住める家を選びやすくなります。
専門家と一緒に住まいの計画を見直してみませんか
どこに家を買い、いくら借りるかは、異動の範囲や家族構成、将来の働き方によって答えが変わります。立地と資金計画をご自身の状況に合わせて整理したい方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも選択肢の一つです。
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監修 宮﨑 裕太(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種証券外務員)
更新日 2026年10月12日
参考資料
- 財務省「令和8年度の税制改正」
- 国土交通省「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
- 人事院「国家公務員の諸手当の概要(令和8年4月現在)」
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日)」
※本記事は2026年10月時点の法令・制度に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の物件や金融商品の推奨、個別の判断を行うものではありません。実際の適用可否は、関係機関や専門家にご確認ください。