住民税の払い方は?会社員の特別徴収と普通徴収、スマホ決済の注意点
この記事でわかること
- 住民税の払い方は、給与から天引きされる特別徴収と、納付書で自分で納める普通徴収の2つです。会社員は原則として特別徴収です。
- 普通徴収は原則年4回(6月・8月・10月・1月)で、納付書に地方税統一QRコードがあれば、スマホ決済アプリやクレジットカードでも納付できます。
- 退職、副業、育休などで払い方が変わる場合があるため、納付漏れに注意が必要です。
住民税の払い方は、会社員の方なら給与からの天引きが基本ですが、退職や副業、育休などをきっかけに、自分で納める場面が出てきます。結論からお伝えすると、会社員の住民税は原則として6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされ、自分で納める普通徴収の場合は、原則年4回、納付書やスマホ決済アプリなどで納めます。
本記事では、2026年10月時点の総務省、地方税共同機構(eLTAX)の情報と地方税法の規定をもとに、会社員が知っておきたい住民税の払い方を解説します。
住民税の払い方が注目される理由
- 住民税とは、前年の所得をもとに、住んでいる市区町村と都道府県に納める税金のことです。総務省によると、所得割の税率は10%です。
- 特別徴収とは、勤務先が給与から住民税を天引きして、本人に代わって市区町村に納める方法のことです。
- 普通徴収とは、市区町村から届く納税通知書に従って、本人が自分で納める方法のことです。
総務省によると、2023年4月から地方税統一QRコード(eL-QR)を使った納付の仕組みが始まりました。納付書にeL-QRが印字されていれば、スマートフォンの決済アプリで読み取って納めたり、eLお支払サイトからクレジットカードで納めたりできます。普通徴収の住民税でも、支払い方法の選択肢が広がっています。
会社員の住民税の払い方と注意点
特別徴収と普通徴収の違い
| 項目 | 特別徴収 | 普通徴収 |
|---|---|---|
| 納める人 | 勤務先が給与から天引きして納める | 本人が自分で納める |
| 回数と時期 | 6月から翌年5月までの12回 | 原則6月・8月・10月・1月の4回(市区町村の条例で定める) |
| 主な対象 | 会社員など給与所得者 | 自営業者、退職した人、給与以外の所得分など |
| 納付方法 | 手続きは不要(給与から天引き) | 金融機関、コンビニ、口座振替、スマホ決済アプリ、クレジットカードなど |
※出典 総務省「個人住民税」、地方税法第320条・第321条の5。利用できる納付方法は市区町村や納付書によって異なります。
普通徴収で選べる納付方法
- 金融機関やコンビニの窓口。納付書を持参して現金で納めます。
- 口座振替。事前に申し込むと、納期ごとに口座から引き落とされるため、納付忘れを防げます。
- スマホ決済アプリ。納付書のeL-QRを読み取って納めます。地方税共同機構が公表している対応アプリの一覧(2026年10月時点)には、PayPay、楽天ペイ、au PAY、d払い、ファミペイなどのコード決済アプリのほか、銀行のアプリも掲載されています。一部の納付書では支払えない場合があります。
- クレジットカード。eLお支払サイトから納めます。地方税共同機構によると、システム利用料がかかり、納付額1万円までは40円、5万円までは370円です。
アプリごとに支払いの手順や条件が異なり、ポイントやキャンペーンの内容も時期によって変わります。本記事では特定のアプリをおすすめしません。手数料や支払い条件を各社の案内で確認したうえで、納付期限を守れる方法を選ぶことが大切です。
会社員でも普通徴収になる主なケース
- 退職したとき。地方税法では、1月1日から4月30日までに退職した場合は、5月までに納める残りの住民税を、最後の給与や退職手当がその額を上回る場合に限り、そこから一括で差し引きます。6月から12月までに退職した場合は、本人が申し出れば一括で差し引くこともできますが、申し出がなければ残りは普通徴収で自分で納めます。
- 副業の所得があるとき。確定申告書で、給与以外の所得にかかる住民税を自分で納付する方法を選べます。
- 育休などで給与がない期間。天引きができない期間は、勤務先と市区町村の扱いに応じて、普通徴収に切り替わる場合があります。
注意すべきリスク
- 納付漏れによる延滞金。普通徴収に切り替わったことに気づかず、納期限を過ぎると延滞金がかかる場合があります。
- 手数料。クレジットカードでの納付は、決済手数料がかかる場合があります。
- 前年の所得で決まる。住民税は前年の所得をもとに計算されるため、退職や育休で収入が減った年も、前年の所得に応じた住民税を納める必要があります。
よくある質問
Q1. 会社員の住民税の払い方はどうなっていますか?
原則として特別徴収で、勤務先が6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きし、本人に代わって納めます。本人が手続きをする必要はありません。
Q2. 住民税はスマホ決済アプリで払えますか?
普通徴収の納付書に地方税統一QRコード(eL-QR)が印字されていれば、対応するスマホ決済アプリで納付できます。地方税共同機構の一覧には、PayPay、楽天ペイ、au PAYなどが掲載されています。一部の納付書では支払えない場合があるため、納付書の案内も確認しましょう。
Q3. 退職したら住民税はどう払えばよいですか?
1月から4月に退職した場合は、最後の給与や退職手当が残りの住民税の額を上回れば、そこから一括で差し引かれます。6月から12月に退職した場合は、申し出がなければ残りは普通徴収になり、届いた納付書で自分で納めます。
Q4. 副業の所得にかかる住民税は自分で納められますか?
確定申告書で、給与以外の所得にかかる住民税を自分で納付する方法を選べます。ただし、扱いは所得の種類や市区町村によって異なるため、お住まいの市区町村に確認しましょう。
まとめ 自分の住民税の払い方を年に一度確認する
住民税は、会社員なら給与から天引きされるため意識しにくい税金です。働き方が変わるときほど、払い方の変化に注意しましょう。
- 給与明細と6月に届く特別徴収税額の通知で、年間の住民税額を確認する
- 退職、副業、育休の予定がある場合は、普通徴収に切り替わるかを確認する
- 普通徴収になったら、口座振替など納付漏れを防げる方法を選ぶ
払い方を知っておくだけで、納付漏れを防ぎ、家計の見通しも立てやすくなります。
住民税からの控除を受けられるふるさと納税の仕組みはふるさと納税の仕組みと制度変更点の解説で、前年の所得が一定以下で住民税がかからなくなる住民税非課税については住民税非課税の解説で紹介しています。
専門家と一緒に税金と家計の流れを見直してみませんか
退職や育休、副業などで住民税の払い方が変わると、家計の資金繰りにも影響します。税金を含めた家計の流れをご自身の状況に合わせて整理したい方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも選択肢の一つです。
マネーパスポートの公式LINEでは、新しい記事などをお知らせしています。公式LINEを友だち追加する
監修 宮﨑 裕太(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種証券外務員)
更新日 2026年10月12日
参考資料
- 総務省「個人住民税」
- 総務省「地方税統一QRコード(eL-QR)の活用による地方税の電子納付について」
- 地方税共同機構「ご利用可能なお支払い方法」
- 地方税共同機構「スマートフォン決済アプリ一覧」(eLお支払サイト)
- 地方税共同機構「共通納税(電子納付)とは」
- e-Gov法令検索「地方税法」第320条・第321条の5
※本記事は2026年10月時点の法令・制度に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定のサービスの推奨や個別の税務判断を行うものではありません。実際の納付方法や手続きは、お住まいの市区町村にご確認ください。