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投資用マンションローンは住宅ローン審査に影響する?知っておくべき5つのポイント

「投資用マンションを持っているけど、マイホームの住宅ローンは組めるの?」——年収500万円以上の会社員で不動産投資をされている方から、このご相談を多くいただきます。

結論からお伝えすると、住宅ローンの申込み自体は可能ですが、投資用マンションローンの残高や返済状況が審査に影響し、希望額を借りられないケースが少なくありません。

本記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から、投資用マンションローンが住宅ローン審査に与える具体的な影響と、審査を通過するための実践的な対策を解説します。マイホーム取得と資産形成を両立させたい方は、ぜひ最後までお読みください。

投資用マンションローンが住宅ローン審査に与える3つの影響

金融機関が住宅ローンの審査で重視する主な指標は、与信枠(借入可能額)返済負担率の2つです。投資用ローンを保有している場合、これらの指標にどのような影響が生じるのかを正確に理解することが、戦略的なライフプラン設計の第一歩となります。

① 与信枠(借入可能額)の圧迫

金融機関は個人の信用力に基づいて借入可能な上限額(与信枠)を設定しています。投資用ローンを利用している場合、その残高分だけ与信枠がすでに消化されているとみなされるため、住宅ローンで借りられる金額が想定より少なくなる可能性があります。

たとえば年収600万円の会社員の場合、与信枠の目安は年収の7〜8倍程度(約4,200〜4,800万円)とされます。そこに投資用ローン残高が2,000万円あれば、住宅ローンに使える枠は実質2,200〜2,800万円程度になるケースも考えられます。

② 返済負担率の上昇による審査基準超過

返済負担率とは、年収に対する年間の総返済額の割合のことです。多くの金融機関では30〜35%以下を目安としていますが、投資用ローンの返済額も合算して計算されるため、住宅ローンに回せる返済余力が大幅に縮小します。

【計算例】年収600万円・投資用ローン月8万円(年間96万円)の場合:

  • 返済負担率の上限(35%):年間210万円
  • 投資用ローンで消費:年間96万円
  • 住宅ローンに使える余力:年間114万円(月約9.5万円)

月9.5万円の返済で借りられる住宅ローンは、金利1%・35年返済の場合で約3,500万円前後となります。

③ 家賃収入が「収入」として認められない場合がある

「家賃収入があるから審査に有利では?」と思われる方も多いですが、金融機関によっては家賃収入を安定的な収入と見なさず、投資物件に紐づく負債の返済としてのみ評価するケースがあります。特にメガバンクはこの傾向が強く、地方銀行や信用金庫のほうが家賃収入をプラス評価しやすい傾向があります。

投資用ローンと住宅ローンの違いを正しく理解する

2種類のローンの性質を比較することで、なぜ審査への影響が生じるのかがより明確になります。

比較項目 住宅ローン 不動産投資ローン
目的 自己居住用 事業・資産運用目的
金利水準 低金利(0.3〜1.5%程度) 比較的高め(1.5〜4%程度)
審査の重点 申込者の属性・安定収入 物件の収益性・事業の将来性
借入期間 最長35年 最長30〜35年(物件・金融機関による)
団体信用生命保険 原則加入(手厚い保障) 加入できない場合あり

住宅ローンと投資用ローンでは、審査基準も金利も根本的に異なります。「どちらを先に組むべきか」については専門家の間でも意見が分かれますが、マイホームを先に取得して住宅ローンを確保する戦略が、審査上有利になるケースが多いとされています。

住宅ローン審査を通過するための5つの実践的対策

すでに投資用マンションローンをお持ちの方がマイホーム取得を目指す場合、以下の対策が有効です。

対策① 家賃収入をプラス評価する金融機関を選ぶ

メガバンクよりも、地方銀行・信用金庫・フラット35(住宅金融支援機構)などは家賃収入を収入に加算してくれる傾向があります。複数の金融機関に事前審査を申し込み、条件を比較することが重要です。

対策② 頭金を増やして借入額を抑える

頭金を物件価格の20〜30%以上用意できると、借入総額が減り返済負担率が下がります。審査通過率の向上だけでなく、借入金利の優遇を受けやすくなる効果も期待できます。

対策③ 既存の投資用ローンを繰り上げ返済・整理する

手元資金に余裕があれば、投資用ローンの一部を繰り上げ返済して残高を圧縮する方法が有効です。投資物件の売却も選択肢として検討に値します。物件の含み益がある場合は、売却益を頭金に充当することで一石二鳥の効果を得られます。

対策④ 不動産投資の収支を黒字化・書類で証明する

確定申告書で投資物件の家賃収入が安定していること・黒字経営であることを証明できると、金融機関の評価が大きく変わります。青色申告で帳簿をきちんと整備しておくことが重要です。

対策⑤ ファイナンシャルプランナーに相談してローン戦略を立てる

投資用ローンと住宅ローンの両立は、個人の収入・資産・ライフプランによって最適解が異なります。FP(ファイナンシャルプランナー)や住宅ローン専門家に相談することで、あなたの状況に合ったオーダーメイドの戦略を構築できます。

【よくある質問】投資用マンションローンと住宅ローンに関するQ&A

Q. 投資用ローンがあっても住宅ローンは絶対に組めますか?

A. 組めないわけではありませんが、審査のハードルは上がります。年収・投資用ローン残高・返済状況・物件の収益性などによって結果が変わるため、事前に複数の金融機関で審査を受けることをお勧めします。

Q. 投資用マンションを先に買うべきか、マイホームを先に買うべきか?

A. 一般論としてはマイホームを先に購入する戦略が有利とされています。住宅ローンは低金利かつ長期借入が可能なため、まずそちらを確保してから不動産投資に乗り出すと、総合的な資産形成効率が高まりやすいです。

Q. フラット35は投資用ローンがあっても使えますか?

A. フラット35は民間金融機関より柔軟に審査してもらえる場合があります。ただし、投資用ローンの影響がゼロになるわけではないため、事前に住宅金融支援機構の窓口やFPに相談することをお勧めします。

まとめ:投資用マンションローンと住宅ローンの両立には戦略が必要

投資用マンションローンは、住宅ローン審査において「与信枠の圧迫」「返済負担率の上昇」「家賃収入の評価」という3つの側面で影響を与えます。しかし、適切な対策を講じることで、マイホーム取得と不動産投資の両立は十分に可能です。

重要なのは、自分の財務状況を正確に把握し、複数の金融機関を比較検討しながら専門家のサポートを活用することです。年収500万円以上の安定収入があるみなさんには、正しい知識と戦略があれば、資産形成とマイホーム取得を同時に実現できる可能性が十分にあります。

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この記事を書いた人

宮﨑 裕太

宮﨑 裕太

・証券外務員 / 2級FP技能士
・宅地建物取引士
2級FP技能士として、住宅ローンから老後・教育資金準備のための新NISAなど、資産形成から資産運用まで幅広くサポート。
証券外務員・宅地建物取引士の知識を活かし、初めての資産運用の方にも具体的に分かりやすく一生役立つ資産形成を伝授します!