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年金が減る仕組みと会社員の資産形成術

「定年後も働きたいのに、働くと年金が減ってしまう」——そんな不安を抱えている年収500万円以上の会社員の方は多いのではないでしょうか。物価上昇・社会保険料の増加・老後2,000万円問題と、老後資金への不安は年々高まっています。

しかし、正しい知識を持ち、今から計画的に資産形成を始めることで、この不安は大きく解消できます。本記事では、年金が減る仕組み(在職老齢年金制度)を正確に解説し、NISA・iDeCo・不動産投資などの具体的な資産形成方法についてわかりやすく紹介します。

年金が減る仕組みとは?在職老齢年金制度をわかりやすく解説

定年後も働きながら年金を受け取る場合、一定の収入を超えると年金が減額される制度が在職老齢年金制度です。しかし、この制度を正確に理解していない方が多く、必要以上に働くことを躊躇している方もいます。

年金が減額される仕組みと計算式

在職老齢年金制度による調整の対象となるのは、老齢厚生年金のみです。老齢基礎年金(国民年金部分)は、どれだけ収入があっても全額支給されます。

年金が減額されるかどうかの判定は、以下の計算式で行われます。

項目 内容
基本月額 老齢厚生年金の月額
総報酬月額相当額 標準報酬月額 + 直近1年間の賞与合計 ÷ 12
支給停止調整額 月50万円(2025年度改正後の基準)

基本月額 + 総報酬月額相当額 が50万円を超えた場合のみ、超えた分の半額が年金から差し引かれます。

つまり、月収が比較的低い方や年金額が少ない方は、制度の対象外となるケースも多く、「働くと必ず年金が減る」というのは誤解です。

2025年の制度改正で何が変わった?

2025年の年金制度改正により、支給停止調整額が大幅に引き上げられました。これにより、年金が減額される対象者は以前よりも大幅に絞られ、働きながら年金を満額受け取りやすくなっています。年収500万円前後の会社員であれば、定年後も再雇用等で働きながら年金を受け取れるケースが増えています。

それでも老後資金が不安な理由——年金だけでは足りない現実

在職老齢年金制度を理解しても、年金だけで豊かな老後を過ごすことは難しいのが現実です。以下の3つの理由から、現役のうちから資産形成を始めることが不可欠です。

①年金の実質的な受取額は今後も減少傾向

少子高齢化の進行により、マクロ経済スライドと呼ばれる自動調整機能が働き、年金の実質的な給付水準は今後も緩やかに低下していくことが見込まれています。厚生労働省の試算でも、将来の所得代替率(現役世代の手取り収入に対する年金の割合)は低下する見通しが示されています。

②物価上昇による生活費の増加

インフレ(物価上昇)が続くと、同じ年金額でも実際に買えるものが減ります。年金はある程度物価に連動しますが、そのスピードは物価上昇に追いつかないことも多く、生活水準の維持が難しくなるリスクがあります。

③平均寿命の延伸による老後期間の長期化

日本人の平均寿命は男性約81歳、女性約87歳(2023年時点)です。65歳で退職した場合、20年以上の老後生活費を準備する必要があります。「老後2,000万円問題」で試算されているように、年金だけでは生活費を賄いきれない可能性が高いのです。

年収500万円の会社員が取るべき資産形成の3つの柱

老後資金の不安を解消するために、現役の会社員が今すぐ取り組むべき資産形成の方法を紹介します。特に年収500万円以上の方は、税制優遇制度を最大限活用することが重要です。

①新NISA(少額投資非課税制度)——長期・積立投資の王道

2024年から始まった新NISAは、年間最大360万円、生涯最大1,800万円まで非課税で投資できる制度です。運用益や配当金に税金がかからないため、長期的な資産形成に非常に有利です。

  • つみたて投資枠:年間120万円まで。長期・積立・分散投資向きのインデックスファンドなどが対象
  • 成長投資枠:年間240万円まで。個別株や投資信託など幅広く投資可能

年収500万円の会社員であれば、まず毎月3〜5万円をつみたて投資枠で積み立てることから始めるのが現実的です。20〜30年の長期運用で、老後資金の大きな柱になります。

②iDeCo(個人型確定拠出年金)——節税しながら老後資金を積み立てる

iDeCo(イデコ)は、毎月一定額を積み立てて老後資金を準備する私的年金制度です。会社員の場合、企業型DCの有無によって掛金上限は異なりますが、最大で月2.3万円まで拠出できます。

最大のメリットは3つの税制優遇です。

  • 掛金が全額所得控除:年収500万円の方が月2万円拠出すると、年間約4〜5万円の節税効果が期待できます
  • 運用益が非課税:NISAと同様に、運用中の利益に税金がかかりません
  • 受取時の税制優遇:一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用されます

節税しながら老後資金を積み立てられるiDeCoは、年収500万円以上の会社員にとって特に効果の高い制度です。

③不動産投資——安定したキャッシュフローと節税効果

不動産投資は、毎月の家賃収入という安定したキャッシュフローを確保しながら、老後の収入源を作れる資産形成方法です。また、減価償却費を活用した節税効果もあり、年収が高い方ほど恩恵を受けやすい側面があります。

主なメリットは以下の通りです。

  • 毎月の家賃収入による安定したパッシブインカム
  • 減価償却によりサラリーマンでも節税が可能
  • インフレに強い実物資産としての価値
  • 生命保険代わりになる団体信用生命保険(団信)の活用

ただし、不動産投資には空室リスク・修繕リスク・流動性リスクなどのデメリットもあります。物件選定や資金計画を慎重に行うことが大切です。

資産形成を早く始めるべき理由——複利の力

資産形成において最も重要なのは「時間」です。同じ金額を積み立てるにしても、開始時期が早いほど複利の効果が大きく働き、最終的な資産額に大きな差が生まれます。

複利効果のシミュレーション(年利5%の場合)

開始年齢 月積立額 65歳時点の資産額(概算)
30歳から 3万円 約2,500万円
40歳から 3万円 約1,400万円
50歳から 3万円 約620万円

30歳から始めた場合と50歳から始めた場合では、同じ毎月3万円の積立でも最終資産額に約4倍の差が生じます。「まだ若いから後でいい」という考えが、老後の生活水準に大きく影響します。

よくある質問(FAQ)

Q. 定年後に働くと年金は必ず減りますか?

A. いいえ、必ずしも減るわけではありません。在職老齢年金制度では、基本月額と総報酬月額相当額の合計が一定の支給停止調整額(2025年度は月50万円)を超えた場合のみ、超えた分の半額が年金から差し引かれます。月収が高くない方や年金額が少ない方は、制度の対象外となるケースも多いです。

Q. iDeCoとNISA、どちらを優先すべきですか?

A. 年収500万円以上の会社員であれば、まずiDeCoを最大限活用して節税効果を得ながら、残余資金をNISAで運用するのが効果的です。iDeCoは掛金が全額所得控除となるため、現役時代の節税メリットが大きく、特に年収が高い方ほど恩恵を受けやすい制度です。

Q. 年収500万円の会社員はいくらから資産形成を始めればよいですか?

A. 手取り収入の10〜15%を目安に始めることをお勧めします。年収500万円(手取り約390万円)の場合、月3〜5万円程度です。まずはiDeCoで月2万円、NISAのつみたて投資枠で月2〜3万円からスタートするのが現実的なプランです。

Q. 年金の受給開始時期を遅らせると(繰り下げ受給)どうなりますか?

A. 年金の受給開始を65歳より遅らせる「繰り下げ受給」を選択すると、1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増額されます。最大75歳まで繰り下げることができ、その場合の増額率は84%です。資産形成で老後資金を確保しながら年金を繰り下げることで、長生きに備えた安心感が高まります。

Q. 不動産投資は会社員でも始められますか?

A. はい、会社員の方でも不動産投資は始められます。特に安定した給与収入がある会社員は金融機関からの評価が高く、融資を受けやすい立場にあります。年収500万円以上であれば、選択肢の幅も広がります。ただし、物件の選定・管理・リスク管理が重要ですので、専門家のアドバイスを受けながら進めることをお勧めします。

まとめ——今すぐ行動することが老後の安心につながる

本記事のポイントをまとめます。

  • 年金が減る仕組み(在職老齢年金制度)は一定の収入を超えた場合のみ適用され、全員が対象ではない
  • 少子高齢化・物価上昇・長寿化により、年金だけでは老後資金が不足するリスクが高い
  • 新NISA・iDeCo・不動産投資を組み合わせることで、税制優遇を最大限活用した資産形成が可能
  • 資産形成は早く始めるほど複利の効果が大きく、開始時期の違いで最終資産額に大きな差が出る

年収500万円以上の会社員の方には、今まさに資産形成を本格的に始めるべき理由があります。制度を正しく理解し、一歩を踏み出すことが、将来の安心した老後生活への近道です。まずは今日から、iDeCoやNISAの口座開設を検討してみましょう。

この記事を書いた人

マネーパスポート運営部

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