第3の賃上げとは?年収500万円以上の会社員が手取りを増やす方法
「昇給したのに手取りがほとんど変わらない」——年収500万円以上の会社員なら、こんな経験をお持ちではないでしょうか。給与が上がるほど所得税・住民税・社会保険料の負担も増し、額面の増加分が手元に残りにくい構造になっています。
そこで今、注目を集めているのが「第3の賃上げ」という考え方です。給与アップや投資リターンに次ぐ「第3の手取り増加策」として、企業が新しく推奨する手法です。本記事では、第3の賃上げの概要から具体的な活用方法まで、年収500万円以上の会社員に向けて詳しく解説します。
第3の賃上げとは何か|給与でも投資でもない「手取り最適化」の考え方
第3の賃上げとは、企業の福利厚生制度や各種控除を最大限に活用することで、税負担を増やさずに実質的な可処分所得を増やす手法のことです。
一般的に「賃上げ」には大きく分けて以下の3種類があると考えられています。
- 第1の賃上げ:ベースアップ・定期昇給など基本給の引き上げ
- 第2の賃上げ:株式・投資信託などへの投資による資産所得の増加
- 第3の賃上げ:福利厚生・各種控除・税制優遇制度の活用による可処分所得の最適化
第1の賃上げは会社の判断に依存し、第2の賃上げは市場リスクを伴います。一方、第3の賃上げは既存の制度を活用するため、リスクなく・確実に実質手取りを引き上げられるのが最大の特長です。
| 手法 | 税金・社会保険料の負担 | 実質的な手取りへの影響 | リスク |
|---|---|---|---|
| 第1の賃上げ(基本給アップ) | 増加する | 額面ほど増えない | 低(会社依存) |
| 第2の賃上げ(投資リターン) | 課税される場合あり | 変動する | 高(市場リスク) |
| 第3の賃上げ(制度活用) | 増加しない・減らせる | 可処分所得が確実に増加 | 極めて低い |
なぜ年収500万円以上の会社員ほど第3の賃上げが重要なのか
年収500万円を超えると、所得税の税率が上がり始めます。課税所得が330万円超695万円以下の区分では税率20%、695万円超900万円以下では23%が適用されます。給与が増えるほど、国に納める税金の割合が高くなる「累進課税」の仕組みにより、高収入な会社員ほど1円の手取りアップに多大な努力が必要になります。
具体例を挙げましょう。年収500万円の会社員が月3万円の昇給を得た場合、所得税・住民税・社会保険料を差し引くと、実質的に手元に残るのは約1.5〜1.8万円程度と言われています。一方、同額の福利厚生支援を受けた場合、その3万円はほぼ全額が実質的な手取りの増加となります。
高年収会社員が抱える3つの課題
- 税率の壁:所得が増えるほど、手取りへの還元率が下がる累進課税構造
- 社会保険料の増加:標準報酬月額の増加に連動して引き上げられる健康保険・厚生年金の負担
- 物価上昇による実質購買力の低下:給与が据え置かれても、生活コストは着実に上昇
これらの課題をまとめて解決できるのが、第3の賃上げの強みです。
会社員が今すぐ活用できる第3の賃上げの具体的な3つの方法
では、具体的にどのような手法が「第3の賃上げ」にあたるのでしょうか。以下に代表的な3つの方法を解説します。
方法①:企業の福利厚生制度を徹底的に使い倒す
多くの企業では、社員が気づかないまま使われていない福利厚生メニューが存在します。住宅手当・家賃補助、資格取得支援、健康診断費用補助、出張・帰省の交通費支給などがその代表例です。これらは非課税または課税対象外で支給される場合が多く、同額の給与アップよりも高い経済効果があります。
まず自社の福利厚生規程・ガイドラインを確認し、利用可能な制度をすべてリストアップしましょう。人事・総務部への問い合わせも有効です。
方法②:iDeCo(個人型確定拠出年金)で所得控除を最大化する
iDeCoは掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になります。年収500万円の会社員が月2.3万円(年27.6万円)を拠出した場合、所得税・住民税合わせて年間約5〜6万円の節税効果が見込めます。老後資産の形成と節税を同時に実現できる、まさに第3の賃上げを体現した制度です。
方法③:ふるさと納税で実質2,000円で地域の特産品を受け取る
ふるさと納税は、自己負担額2,000円を超えた寄付額が翌年の住民税・所得税から控除される制度です。年収500万円の会社員なら、おおよそ6〜7万円程度を上限にふるさと納税を活用することで、実質2,000円の負担で食料品や日用品などの返礼品を受け取れます。生活費の節約に直結する、即効性の高い手法です。
第3の賃上げ活用時に注意すべきリスクと落とし穴
第3の賃上げはリスクが低い手法ですが、注意点も存在します。
- 福利厚生の縮小リスク:会社の業績悪化や制度改定により、利用できる福利厚生が減少する可能性があります。会社に依存しすぎず、iDeCoやふるさと納税など個人でコントロールできる手法も組み合わせましょう。
- 確定申告の手間:iDeCoやふるさと納税(ワンストップ特例を超える場合)は確定申告が必要になるケースがあります。初年度はやや手間がかかりますが、2年目以降は慣れます。
- 浮いたお金を消費に回さないこと:第3の賃上げで確保した資金を日々の消費に使い切ってしまうと、将来の資産形成につながりません。仕組みとして自動積立に設定することが重要です。
まとめ|第3の賃上げで今日から手取りを賢く増やそう
第3の賃上げとは、給与アップや投資に頼らず、税制優遇・福利厚生・各種控除を活用して実質的な可処分所得を増やす手法です。特に、累進課税の影響を受けやすい年収500万円以上の会社員にとって、最も費用対効果の高い手取り改善策といえます。
今日からできる具体的なステップをまとめます。
- 自社の福利厚生制度を確認し、使えていないものをリストアップする
- iDeCoの加入状況を確認し、節税効果をシミュレーションする
- ふるさと納税の上限額を試算し、今年中に実施する
- 制度活用で浮いた資金を自動積立でNISAやiDeCoに回す
制度の活用は、一度仕組みを整えてしまえば長期にわたって確実な効果を発揮します。ご自身の状況に合った最適な方法を選び、まずは一歩踏み出してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 第3の賃上げは全ての会社員に適用できますか?
はい、基本的には全ての会社員が活用できます。ただし、利用できる福利厚生の内容は会社によって異なります。iDeCoは勤務先の企業型DCとの兼ね合いを確認する必要があります。
Q2. 年収500万円の会社員が第3の賃上げを最大限活用すると、年間どれくらい手取りが増えますか?
活用する制度の組み合わせにより異なりますが、iDeCo(月2.3万円)+ふるさと納税(上限6万円)+福利厚生の活用で、年間10〜20万円程度の実質的な手取り増加が見込める場合があります。
Q3. 第3の賃上げと資産形成はどう組み合わせればよいですか?
第3の賃上げで確保した資金を、NISAやiDeCoといった税制優遇口座での資産形成に充てるのが最も効率的です。節税しながら将来の資産を増やす「複利的な効果」が期待できます。
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