ゆうちょ金利引き上げはいつから?11月9日の改定と公務員の預け方
この記事でわかること
- ゆうちょ銀行の通常貯金の金利は2026年11月9日に0.400%から0.500%へ上がり、預け入れ済みの残高にも適用されます。
- 300万円を1年預けた場合の利息は税引前で1万5,000円。物価上昇率(2026年8月は前年同月比1.9%)には届きません。
- 通常貯金は1,300万円が上限で、超えた分は無利子の振替口座に入ります。預金保険の保護は元本1,000万円までで、政府保証はありません。
ゆうちょ金利引き上げのお知らせが続いています。ゆうちょ銀行は2026年8月10日に通常貯金の金利を0.300%から0.400%に上げたのに続き、11月9日には0.500%へ引き上げると公表しました。手続きは不要で、すでに預けている残高にも11月9日から新しい金利が適用されます。
国家公務員の給与は、職員が申し出ることで、本人の預金や貯金の口座への振込みで受け取れます(人事院規則9-7)。給与の受け取りや生活費の管理にゆうちょ銀行の口座を使っている公務員の方にとって、今回の金利引き上げは、口座の使い方を見直すよい機会です。
本記事では、2026年9月30日時点でゆうちょ銀行が公表している情報をもとに、金利引き上げの内容と利息の試算、あわせて知っておきたい預入限度額と預金保険の仕組みを解説します。
ゆうちょの金利引き上げはいつから?なぜ今注目されているのか
2026年の金利改定の流れ
ゆうちょ銀行の公表によると、2026年の通常貯金の金利は次のように引き上げられています。
- 2026年8月10日 0.300%から0.400%へ
- 2026年11月9日 0.400%から0.500%へ(予定)
定額貯金や定期貯金などの定期性貯金についても引き上げが予定されていますが、対象商品や金利、開始日は確定し次第公表するとされており、9月30日時点では未定です。ゆうちょ銀行は、金利の改定は市場金利の動向等を勘案して行うもので定期的なものではなく、次回の時期は未定としています。
ゆうちょ銀行の主な金利一覧
まず、貯金の種類を確認しておきましょう。通常貯金とは、いつでも出し入れできる貯金のことで、金利は改定のたびに変わります。定額貯金とは、預け入れから6か月たてば払い戻せて、預けた期間に応じた金利がつく貯金です。定期貯金とは、1か月から10年までの預入期間を決めて預け、預け入れ時の金利が満期まで続く貯金です。振替口座とは、送金や決済に特化した利息のつかない口座のことです。
| 種類 | 期間 | 金利(年率) |
|---|---|---|
| 通常貯金 | ― | 0.400%(11月9日から0.500%) |
| 定額貯金 | 6か月以上1年未満 | 0.425% |
| 定額貯金 | 3年以上 | 0.710% |
| 定期貯金 | 1か月から1年 | 0.500% |
| 定期貯金 | 3年 | 0.800% |
| 定期貯金 | 5年 | 1.000% |
| 定期貯金 | 10年 | 1.250% |
| 振替口座 | ― | 無利子 |
出典 ゆうちょ銀行 金利一覧(2026年9月28日現在)。定期性貯金の金利は今後引き上げが予定されています。
ゆうちょの金利引き上げで公務員の貯金はどう変わるか
残高別の利息の試算
通常貯金に預けている残高ごとに、1年間の利息を試算しました。前提は次のとおりです。
- 1年間、同じ残高を通常貯金に預けたままにする
- 金利は1年間一定とし、日々の計算や端数処理は考慮しない
- 税引後は、利子にかかる税率20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%、国税庁による)を差し引いた金額
| 残高 | 金利0.300% | 金利0.400% | 金利0.500% | 金利0.500%(税引後) |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 | 3,984円 |
| 300万円 | 9,000円 | 12,000円 | 15,000円 | 11,952円 |
| 500万円 | 15,000円 | 20,000円 | 25,000円 | 19,921円 |
| 1,000万円 | 30,000円 | 40,000円 | 50,000円 | 39,842円 |
※上記の前提に基づく当サイトの試算。実際の利息はゆうちょ銀行の計算方法によって異なります。
金利が0.300%だった時期と比べると、300万円の利息は年9,000円から1万5,000円へと増えます。一方で、総務省統計局によると、2026年8月の消費者物価指数(総合)は前年同月比1.9%の上昇でした。金利0.500%は物価の上昇率を下回っているため、貯金に置いたままのお金は、実質的な価値が少しずつ目減りする状態が続いています。
預入限度額1,300万円を超えたらどうなる
ゆうちょ銀行の貯金には、郵政民営化法施行令で定められた預入限度額があります。預入限度額とは、1人が預けられる金額の上限のことです。
- 通常貯金 1,300万円
- 定額貯金・定期貯金などの定期性貯金 1,300万円
- 財産形成定額貯金などの財形貯金 定期性貯金とは別枠で550万円
- 振替口座 上限なし
総合口座では、通常貯金の上限額を超えた分は、自動的に無利子の振替口座へ入る仕組みです。たとえば総合口座に1,500万円がある場合、超えた200万円には利息がつきません。金利0.500%で計算すると、年1万円(税引前)の利息を受け取れない計算になります。上限を超えたままの場合は、ゆうちょ銀行が上限額の設定を変えたり、一部を払い戻して証書を送ったりすることもあります。
預金保険と政府保証の仕組み
郵便局の貯金だから国が守ってくれる、と考えている方もいるかもしれません。しかし、ゆうちょ銀行の貯金に政府保証はありません。ほかの銀行と同じく預金保険制度で保護されます。預金保険制度とは、金融機関が破綻したときに、一定額までの預金を守る国の制度のことです。
| 口座の種類 | 金利 | 預入限度額 | 預金保険の保護 |
|---|---|---|---|
| 通常貯金 | 改定のたびに変わる | 1,300万円 | 定期性貯金と合わせて元本1,000万円とその利息まで |
| 定期性貯金 | 預け入れ時の金利で固定 | 1,300万円(財形は別枠550万円) | 通常貯金と合わせて元本1,000万円とその利息まで |
| 振替口座 | 無利子 | 上限なし | 全額 |
出典 ゆうちょ銀行 よくあるご質問、預金保険機構 保護の範囲
振替口座は、無利息・要求払い・決済サービスを提供できるという3つの条件を満たす決済用預金にあたるため、全額が保護されます。通常貯金と定期性貯金は合算して元本1,000万円までとその利息が保護され、1,000万円を超える部分は保護の対象外です。
手数料の仕組み
金利とあわせて確認したいのが、ATMの料金です。ゆうちょ銀行のキャッシュカードで通常貯金を出し入れする場合の料金は、次のとおりです。
- ゆうちょ銀行の店舗や郵便局内のATM 全時間帯無料(硬貨を伴う場合を除く)
- 駅や商業施設などのゆうちょATM 平日8時45分から18時、土曜9時から14時は無料、それ以外は110円
- コンビニなどの提携ATM 時間帯により220円または330円
- ATMでの硬貨の預け入れ 25枚までで110円、26枚から50枚で220円、51枚から100枚で330円
利息が年数千円程度の残高では、時間外や提携ATMの料金を何回か払うだけで利息の増加分が相殺されてしまいます。引き出す場所と時間を決めておくことも、金利引き上げの効果を生かす方法の一つです。
注意すべきリスク
- 金利は今後も変わる。改定は市場金利の動向で行われ、次回の時期は決まっていません。
- 定期貯金は途中で引き出すと金利が下がる。定期貯金は預け入れ時の金利が満期まで続く一方、期間内に払い戻すと、所定の期間内払戻利率が適用されます。定期性貯金の引き上げを待つか、今預けるかは、使う予定のない期間と合わせて考えましょう。
- 1,000万円を超える部分は保護されない。ほかの金融機関の預金とは別に数えますが、ゆうちょ銀行の中では通常貯金と定期性貯金を合算します。
- 物価上昇による目減り。金利が上がっても、物価の上昇率を下回る状態では、貯金だけで資産の価値を保つことは難しくなります。
公務員がゆうちょ口座を役割で分ける考え方
金利が上がったからといって、すべてのお金を貯金に置くのが最適とは限りません。大切なのは、お金を使う時期と目的に応じて、置き場所の役割を分けることです。
- 生活費 給与の振込先として毎月の支払いに使うお金。通常貯金や振替口座に置き、引き出しの料金がかからない使い方を決める
- 生活防衛資金 急な出費や収入減に備えるお金。すぐに引き出せる通常貯金に置き、預金保険の範囲におさまっているかを確認する
- 使う時期が決まっている資金 数年以内の住宅購入や教育費など。使う時期に合わせて定額貯金や定期貯金も選択肢になる
- 長期の資産形成 10年以上使わないお金。物価上昇に備え、新NISAやiDeCoなどの制度の活用を別途検討する
給与の振込先を変える場合、国家公務員は書面で申し出ます(人事院規則9-7)。振込先の口座数や手続きの詳細は所属先の定めによるため、給与担当に確認しましょう。地方公務員は各自治体の規程によります。
手元に置いておく生活防衛資金の目安は、生活防衛資金はいくら必要かの解説で紹介しています。
よくある質問
Q1. ゆうちょの金利引き上げはいつからですか?
通常貯金の金利は、2026年11月9日に0.400%から0.500%へ引き上げられる予定です。その前の8月10日には0.300%から0.400%へ引き上げられています。定期性貯金の引き上げ時期は、9月30日時点では未定です。
Q2. すでに預けている通常貯金にも新しい金利が適用されますか?
適用されます。通常貯金の利子は日々計算されており、11月9日以降は、すでに預けている残高にも引き上げ後の金利が適用されます。手続きは必要ありません。
Q3. ゆうちょで1,300万円を超えて預けるとどうなりますか?
総合口座の場合、通常貯金の上限額を超えた分は無利子の振替口座に自動で入ります。振替口座に上限はありませんが、利息はつきません。上限を超えたままの場合は、ゆうちょ銀行が上限額の設定を変えたり、払い戻しを行ったりすることがあります。
Q4. ゆうちょ銀行が破綻したら貯金はどうなりますか?
ゆうちょ銀行の貯金に政府保証はなく、預金保険制度で保護されます。通常貯金と定期性貯金は合算して元本1,000万円までとその利息が保護され、振替口座は全額が保護されます。なお、民営化前に預け入れた定額郵便貯金などには、引き続き政府の支払保証があります。
Q5. 定額貯金や定期貯金の金利も上がりますか?
ゆうちょ銀行は定期性貯金の金利も引き上げる予定としていますが、対象商品や金利、開始日は確定次第公表するとしています。定期貯金は預け入れ時の金利が満期まで続くため、預け入れの時期は発表を確認してから判断するとよいでしょう。
まとめ 今日から始めるライフプランの見直し
ゆうちょ金利引き上げにより、通常貯金の金利は11月9日から0.500%になります。ただ、300万円で年1万5,000円(税引前)という利息は、物価の上昇率には届きません。金利の数字だけで判断せず、口座の上限と保護の範囲をふまえて、お金の置き場所を決めることが大切です。
- ゆうちょ銀行の残高を確認し、1,300万円の上限と1,000万円の保護の線を超えていないかを見る
- 生活費、生活防衛資金、使う時期が決まった資金、長期の資産形成に分けて、それぞれの金額を決める
- 定期性貯金の金利の発表を確認してから、定期貯金や定額貯金に預ける時期を判断する
金利が動き始めた今は、これまで何となく置いていたお金の役割を見直すよい機会です。安定した収入という公務員の強みを生かし、守るお金と育てるお金を分けて、着実な資産形成につなげていきましょう。
専門家と一緒にお金の置き場所を見直してみませんか
金利の動きや預入限度額をふまえて、どの口座にいくら置くかは、家族構成や将来の支出の予定によって答えが変わります。生活防衛資金の目安や、貯金と資産形成の分け方をご自身の状況に合わせて整理したい方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも選択肢の一つです。
マネーパスポートの公式LINEでは、新しい記事などをお知らせしています。公式LINEを友だち追加する
更新日 2026年9月30日
参考資料
- ゆうちょ銀行「金利一覧」
- ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げ(2026年11月9日実施)について」
- ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げのお知らせ(2026年6月19日)」
- ゆうちょ銀行「ゆうちょ銀行には、いくらまで預けることができますか。」
- ゆうちょ銀行「ゆうちょ銀行に預けているお金は、政府によって保護されていますか。」
- ゆうちょ銀行「ATM利用にかかる料金・手数料」
- ゆうちょ銀行「定期貯金 商品概要説明書」
- e-Gov法令検索「郵政民営化法施行令」
- 預金保険機構「保護の範囲」
- 国税庁「No.1310 利子所得」
- 総務省統計局「消費者物価指数 全国 2026年8月分」
- e-Gov法令検索「人事院規則九―七(俸給等の支給)」
※本記事は2026年9月30日時点の法令・制度およびゆうちょ銀行の公表情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や個別の税務・投資判断を行うものではありません。金利や料金は変更される場合があるため、最新の情報はゆうちょ銀行の公式サイトでご確認ください。