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定期借地権付きマンションとは?公務員向け所有権比較5選

マイホームの取得を検討する際、都市部を中心とした地価の上昇により、「所有権マンション」の購入価格は上昇傾向が続いています。国土交通省が公表する不動産価格指数でも、都市部の住宅地・マンション価格は上昇が続いており、住宅取得のハードルは年々高まっています。

こうした状況の中で選択肢の一つとなるのが「定期借地権付きマンション(定借マンション)」です。土地を所有せず借りるという仕組みを理解することで、所有権マンションとの違いやメリット・デメリットを客観的に比較検討できます。本記事では、年収500万円以上で安定した収入基盤を持つ現役の国家公務員・地方公務員を想定読者として、定期借地権付きマンションの基礎知識から所有権マンションとの比較、メリット・デメリット、購入時の判断基準までを整理して解説します。

1. 定期借地権付きマンションとは?所有権マンションとの違い

定期借地権付きマンションとは、建物は購入者が所有するものの、その建物が建っている土地は地主から一定期間借りる契約を結んでいるマンションを指します。契約期間が満了すると、原則として建物を解体し、土地を地主に返還する必要があります。契約期間は50年〜70年程度に設定されているケースが多く見られます。

一方、所有権マンションは建物と土地の両方を購入者が所有する形態です。土地の所有権があるため資産として次世代に引き継ぐことができますが、その分購入価格には土地代が含まれます。

両者の違いを、価格・税金・契約期間・資産性・毎月のコストという5つの視点で比較すると、次のようになります。

比較項目所有権マンション定期借地権付きマンション
①購入価格土地代を含むため相対的に高額土地代を含まないため同条件の所有権より安価な傾向
②固定資産税・都市計画税建物・土地の両方に課税建物のみに課税(土地分は原則不要)
③契約期間期間の制限なし一般的に50〜70年程度(契約により異なる)
④資産性(相続・売却)土地・建物ともに資産として残り、相続や売却がしやすい契約期間満了時に解体・返還の義務があり、期間の経過に応じて資産価値が低下する
⑤毎月の追加コスト基本的になし(管理費・修繕積立金のみ)地代・解体準備金が管理費等に加えて発生

なお、契約形態には「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」など複数の種類があり、契約満了時の扱いや更新の可否が異なります。購入を検討する際は、契約書に記載された契約類型と条件を必ず確認することが重要です。

2. 定期借地権付きマンションのメリット

2-1. 購入価格を抑えられる

土地の取得費用が発生しないため、同じ立地・同等の建物であれば所有権マンションよりも購入価格が抑えられる傾向があります。これにより、都心や好立地エリアでも住宅ローンの借入額を抑えて住宅を取得できる可能性があります。

2-2. 固定資産税・都市計画税の負担が軽い

固定資産税・都市計画税は土地と建物のそれぞれに課税されますが、定期借地権付きマンションは土地を所有していないため、建物分のみが課税対象となります。長期的に見ると税負担の差は小さくありません。

2-3. 将来の「負動産化」リスクを回避しやすい

所有権マンションは老朽化した際の建て替えや解体の合意形成が難しく、将来的に売却が難しい、相続しても手放せないといった、いわゆる負動産化のリスクが指摘されています。定期借地権付きマンションは契約満了時に解体・返還することがあらかじめ定められているため、将来の出口が契約上明確になっている点が特徴です。

2-4. 浮いた資金を他の資産形成に回せる可能性がある

購入価格が抑えられることで、住宅ローンの借入額や毎月の返済負担を軽くできる可能性があります。その分の資金を、教育費の準備や、新NISAなどの制度を利用した長期的な資産形成に配分するという考え方もあります。ただし、投資には価格変動リスクがあるため、確実に資産が増えるわけではない点に留意が必要です。

3. 定期借地権付きマンションのデメリット・注意点

3-1. 地代・解体準備金など継続的なコストが発生する

定期借地権付きマンションでは、購入後も毎月「地代」を地主に支払う必要があります。また、契約満了時の解体費用に備えて「解体準備金」を積み立てる仕組みが設けられている物件が一般的です。これらは管理費・修繕積立金に加えて発生する継続コストであり、長期の家計計画に組み込んで検討する必要があります。

3-2. 資産として土地が残らない

契約期間が満了すると建物を解体し土地を返還するため、所有権マンションのように土地を資産として次世代に引き継ぐことはできません。子や孫にその土地を資産として承継させたいという意向がある場合は、デメリットとして考慮する必要があります。

3-3. 住宅ローンの融資条件に留意が必要

定期借地権付きマンションは、金融機関によって融資可能な期間や融資条件が所有権マンションと異なる場合があります。契約期間の残存年数によっては希望する返済期間でローンを組めないケースもあるため、事前に金融機関へ確認することが不可欠です。

3-4. 売却時の流動性・資産価値の低下

契約の残存期間が短くなるほど、売却時の資産価値は低下する傾向があります。また、購入希望者にとっても残存期間や融資条件が制約となる場合があり、所有権マンションと比較して売却のしやすさ(流動性)に差が出ることがあります。

これらのメリット・デメリットを整理すると、次のようになります。

メリットデメリット・留意点
価格・税金購入価格が抑えられる/固定資産税が軽い地代・解体準備金という継続コストがある
資産性将来の解体・返還が契約上明確で出口が見えやすい土地は資産として残らず、次世代への承継はできない
資金計画ローン負担を抑え、他の資産形成に資金を配分しやすい融資条件が所有権より制約される場合がある
売却・相続負動産化リスクを回避しやすい残存期間の経過に応じて売却時の資産価値が下がりやすい

4. 公務員のライフプランと定期借地権付きマンション

国家公務員・地方公務員は、給与制度や退職金制度が明確に定まっており、生涯の収入やキャッシュフローの見通しを立てやすいという特徴があります。この特徴は、定期借地権付きマンションを検討する際の判断材料としても活用できます。

4-1. 住宅ローンと住居手当の関係を確認する

公務員の住居手当は、住宅を購入すると支給対象外となる場合があります(制度は所属機関や自治体により異なります)。住宅購入を検討する際は、住居手当の支給条件と購入後のローン返済額を合わせて確認し、家計全体のキャッシュフローに無理がないかを事前に確認することが重要です。

4-2. 数値例で見る購入価格の違い(あくまで一例)

仮に、所有権マンションの価格が7,000万円、同条件の定期借地権付きマンションが2割程度安い5,600万円だとした場合の借入額の違いを比較したものが以下の例です。実際の価格差は物件・エリア・契約条件によって異なるため、あくまで考え方を示す一例として参照してください。

所有権マンション(例)定期借地権付きマンション(例)
購入価格7,000万円5,600万円
借入額の差約1,400万円少ない
毎月の追加コスト特になし地代・解体準備金が発生

借入額が小さくなることで毎月の返済負担は軽減されますが、その分地代等の継続コストが発生するため、借入額の差だけでなく、購入後に発生する費用も含めたトータルの家計負担で比較することが重要です。

5. 国家公務員・地方公務員それぞれの視点で考える

5-1. 国家公務員など広域異動が想定される場合

転勤や異動の可能性がある場合、将来的に住み替えや売却を検討する可能性があります。契約の残存期間や売却時の資産価値の変化を踏まえ、異動のタイミングと契約期間のバランスを考慮しておくことが望まれます。

5-2. 地方公務員など実家の相続や地元居住が想定される場合

将来的に地元の実家を相続する可能性がある場合、購入する住宅に資産として残すことを重視するかどうかで判断が分かれます。定期借地権付きマンションは資産として土地が残らないため、実家の資産承継と合わせて全体の資産計画を検討する視点が必要です。

6. 定期借地権付きマンションが向いているか判断するチェックリスト

検討ポイント定借マンションが選択肢になりやすい傾向所有権マンションが適している傾向
立地への優先度職住近接など好立地を重視し、価格を抑えて実現したい立地よりも資産としての土地保有を重視したい
資金計画借入額を抑え、教育費や資産形成に資金を配分したい将来の住み替え・売却より長期保有を前提にしたい
資産承継の意向子世代への不動産承継を必須と考えていない子世代に土地・建物を資産として残したい
継続コストの許容度地代・解体準備金の負担を許容できる毎月の追加コストを避けたい
ライフプランの流動性将来の転居・住み替えの可能性がある同じ住居に長期間、変更なく住み続ける予定

7. 購入前に確認しておきたいポイント

  • 契約期間の残存年数と、契約満了時の解体・返還の条件
  • 地代の金額と、将来的な見直し(改定)の条件
  • 解体準備金の積立方法と金額
  • 住宅ローンの融資条件(融資期間・金融機関による取り扱いの違い)
  • 売却時・相続時の取り扱い(契約の承継や譲渡に関する条件)

これらの条件は物件や契約により異なるため、契約前に重要事項説明書や契約書の内容を十分に確認し、不明点は事前に確認することが大切です。

まとめ

定期借地権付きマンションは、土地を所有せず借りることで購入価格や固定資産税の負担を抑えられる一方、地代や解体準備金といった継続的なコストが発生し、土地という資産が将来的に残らないという特徴があります。所有権マンションとの違いを価格・税金・契約期間・資産性・毎月のコストという観点から比較し、自身や家族のライフプラン、資産を次世代に引き継ぎたいかどうかといった意向と合わせて検討することが重要です。安定した収入基盤を持つ公務員であっても、住宅購入は生涯にわたる家計に影響する大きな意思決定です。契約条件を十分に確認したうえで、所有権マンションと定期借地権付きマンションの双方を客観的に比較検討することをおすすめします。

この記事を書いた人

宮﨑 裕太

宮﨑 裕太

・証券外務員 / 2級FP技能士
・宅地建物取引士
2級FP技能士として、住宅ローンから老後・教育資金準備のための新NISAなど、資産形成から資産運用まで幅広くサポート。
証券外務員・宅地建物取引士の知識を活かし、初めての資産運用の方にも具体的に分かりやすく一生役立つ資産形成を伝授します!